別府小茶会2日目
えとうです。
2日目は午前中が空き時間だったので、ちょっとだけ別府市内を巡ってみました。ここは朝見神社。別府でいちばん大きな神社です。
入り口には夫婦杉があってあたかも自然がつくった鳥居のよう。めっちゃでかいよ、写真じゃ伝わらんけど。
参道にはこんな遊び心が。
これはひょうたん。
これは盃。
なんか見つけるか踏むかしたらいいことあるんだって。
前日に「★の記憶~」の実行委員でもある高橋さんに誘われていて聴潮閣にも行ってきました。別府には戦火を免れていろんな別荘や庭園や旅館が残っていたんだけど、時代の移り変わりとともに消えてしまったものが多くて、この聴潮閣は数少ない別府の近代遺産として移築され、きれいに保存活用されているのです。別府のホスピタリティってここの意匠とかもみてわかるように、ほんとすごいなーって思う。ずっと残ってほしいなー。
午後からはまたお茶を点てます。両日にわたって毎回10名程度のお客さんをおもてなしさせていただきました。お客さんの反応が毎回違っておもしろい。最初から最後まで神妙に一方的なおしゃべりで終わる回もあり、質問攻めに合う回もあり、自作の茶碗だと言ったら遠くのお客さんまで回って茶碗が戻ってこなかったり。
別府小茶会は別府温泉につかるようにゆっくりとくつろいでもらって、別府市公会堂を感じてもらえたらいいなと思って考えたものなんです。風景の映像が流れるように変わっていって、それを眺めながらお茶を一服。どげんですかねー、別府のお客さん。
今回は裏千家のCATヤマグチ、アカガワ、エトウに加え、先崎さんが長崎平戸の鎮信流のお点前を披露。鎮信流は武家茶なので、作法がまったく違っておもしろい。拳をついた礼とかね、まさに武士。お茶の経験がある人も先崎さんのお手前は珍しいらしく、興味津々。
話がはずんだ回は、たまたま同席になったお客さん同士で一緒に公会堂を巡ったりしたとか。いいねー、こういう一期一会の関係性。しかし、4人で2日間20回近くの茶会をこなし、お運びまで全部したから浴衣の膝がテロテロでまいった。にじりすぎて膝も痛いし、正座で足も疲れたわー。でもアドレナリンを生成してなんとか乗り越えた!
別府小茶会は菓子切りワークショップとあわせて「茶の湯プロジェクト」ということは先に述べたとおりですが、自分たちも菓子きり作りたい!ってことで、無理を行って片づけが行われている最中にさくっと作りました。茶杓づくりで鍛えた小刀捌きが冴え渡る!
最後にスタッフみんなで記念撮影をパチリ。いつも思うけど一生懸命時間と闘いながらつくったものがあっという間に壊れていくのってね…、さみしい。
というわけで別府での一大プロジェクトが終了しました。別団体のオファーで協働しながらやるプロジェクトは初めてでなんやかんやいろいろとあったけど、勉強になったなー。無事終わってよかった!ではバイバイ別府、また今度!
以下、「茶の湯プロジェクト」のコンセプトをどうぞ。
茶の湯プロジェクト
-「別府小茶会」・「竹ワークショップ」-
■茶の湯プロジェクト
茶の湯の“湯”は別府の湯。
この「茶の湯プロジェクト」は、お茶を飲みながら、温泉につかるようにゆっくりと別府市公会堂を楽しんでもらうプロジェクトです。
茶の湯プロジェクトは別府小茶会と竹ワークショップのふたつで構成されています。
■別府小茶会
別府小茶会では、福岡県太宰府市を拠点に活動する次世代型地域活動団体CATが、茶道歴4ヶ月の中途半端な実力を遺憾なく発揮し、失笑に耐えながらも誠心誠意明るく楽しく別府市のみなさんをお茶でおもてなしします。
今も昔も、別府は旅人たちの疲れを癒す土地。
温泉に入って、これから向かう旅先を想ったり、またはこれから帰る故郷を想う。
想いの先は太宰府。
かつて「遠の朝廷」と呼ばれ、1300年前の太宰府には九州全体を治める「大宰府」(オオミコトモチノツカサ)という大きな役所が置かれ、約500年の長い間、その役割を果たしていました。
別府の人と太宰府の人が、お茶を飲みながらひとつの空間で交わすコミュニケーション。その舞台となるのが、スタードームという竹製半球型ドームです。別府市公会堂を象徴する★をイメージさせるその空間が、かりそめの茶室に変身し、人と人をつなぎます。
茶室の景となる映像は別府-太宰府間のロードムービー。別府の山を越え、湯布院、日田、朝倉、太宰府などかつて旅人たちが自分の足で歩いたであろう風景を現代に再現し、それぞれの土地で別府と太宰府に縁のある場所を巡りながら、地域と地域をつなぎます。
昔の人が通った道をなぞり、昔の人のことを想う。それは私たちのおじいちゃんかもしれないし、曾おばあちゃんかもしれない。その道は私たちの子どもたちにも継承され、曾孫たちも通るのかもしれない。誰かがそれぞれの場所でいろいろな思い出をつくったのだろう、そしてこれからも新たな思い出がたくさん生まれるのだろうと空想すると、過去と現在と未来が交差し、時間と時間がつながります。
人と地域と時間がつながったこの別府市公会堂は、これまでの歴史に新たな記憶を刻み、脈々と後世に継承されていくことでしょう。
■竹ワークショップ~竹で遊ぼう!菓子切づくり~
別府の伝統工芸である竹細工。竹を使って菓子切(黒文字)を作るワークショップも開催します。菓子切とはお茶会のときに出される茶菓子を食べるときに使う茶道具です。菓子切はお茶会に欠かせないもの!!自分で作った菓子切をもって、お茶会に参加してみませんか?
プランニング/コーディネート:CAT
アートディレクション/茶室デザイン:先崎哲進
映像:泉山朗土
茶菓子:下川佳代子
竹ワークショップ:巧匠竹学会
協力:九州フィールドワーク研究会、名和宗茂、太田熊雄窯
by cat-diary | 2008-08-24 22:37 | BEPPU PROJECT